活動の幅が広がるDGBOOKII


教師の声

 7年前まで勤務していた学校には最新のLL機器が設置されていました。教室の改築も含めて約七千万円かかったそうです。しかし、かかった費用の元が取れるくらい、生徒の英語力を上げるのに効果がありました。音読練習を各自のスピードで行ったり、録音したり、ディクテーションを行ったり、聴覚関係の機能だけでもさまざまな活動ができ、生徒の学習意欲を高めることができました。単調になりがちな音読練習も、LL機器を使って各自のペースで練習することにより、生徒が積極的に取り組んでいました。
 1月より1クラスの人数分のDGBOOKIIを英語科教室に置き、いつでも使用できる環境をつくりました。最初に音読練習を行わせてみましたが、生徒が夢中で音読練習を行っている姿を見て、LLで学習していた生徒の姿を思い出しました。DGBOOKは何千万円もする機器ではありませんが、LLで行ったのと同じ活動ができ、同じ効果があったのです。DGBOOKを使うようになってから、活動のバリエーションが増えました。いくつか行った活動の中から3つの活動とその効果を紹介します。

本多敏幸(ほんだとしゆき)


photo 1959年東京都生まれ。
武蔵大学卒業。東京学芸大学大学院卒業。
東京都公立中学校教諭として23年。4月より千代田区立九段中等教育学校に勤務。

ELEC同友会英語教育学会副会長、英語授業研究学会理事、ELEC同友会英語教育学会実践研究会部長、主な単著に『到達目標に向けての指導と評価』(教育出版)『本多式中学英語マスター短文英単語』(文藝春秋)、『本多式中学英語マスター速読長文』(文藝春秋)、『入試英語力を鍛える!授業アイデア&パワーアップワーク40』(明治図書)。

ELEC同友会英語教育学会実践研究部会共著で『Inside the Dictionaries-英語辞書活用ノート』(数研出版)、『アクアティブ・スピーチ』(TDKコア)、ほか執筆多数。



【音読練習】

英語科教室・授業の様子

英語科教室・授業の様子

 教科書の本文を導入した直後の音読練習の目的は、「書いてある文字を正しく音声化させる」ことにあります。そのために、通常はChorus Readingをていねいに行い、Buzz Readingで各自のペースで練習させ、Individual Readingで正しく発音しているかチェックします。
 1つのレッスンにつき1回ほどですが、私はこの導入直後の音読練習を、DGBOOKを用いて行わせています。生徒たちはモデルを聞き、それを真似て音読練習をします。
 教師は机間巡視を行い、正しく発音できているか確認しながら、必要に応じて指導します。教師主導で行うChorus Readingでは、全生徒が一斉に復唱するので、声を合わせなければなりませんが、DGBOOKを使うと、各自のペースで音読ができ、自分の声をしっかりとモニターすることができます。したがって、ていねいに音声化しようとする姿勢が見られるようになりました。
 音読練習の最後に自分の声を録音させ、モデル音声と比較をさせています。生徒が自分自身で発音をチェックすることで、よりモデルに近づけようとする姿勢が生まれるようです。ちなみに、次の授業の「復習」では、機器は使わずに教師の耳でしっかり発音できているか確認していますが、多くの生徒が上手に音読できるようになっています。


英語科教室・授業の様子

【部分ディクテーション】

 教科書の既習ページを使って、部分ディクテーションを行わせました。活動の準備として、教科書の該当ページをコピーし、聞き取らせたい(書かせたい)語句のところを修正液で消します。空欄となったところにアンダーラインを引き、生徒の人数分の印刷をします。(左の画像:クリックで拡大します)
 生徒はDGBOOKに配付されたプリントを置き、音声を聞きながら空欄を埋めていきます。DGBOOKの表面は平面となっているので、プリントを置いて鉛筆で記入することが容易にできます。
 この活動は、5分間という短い時間で行わせましたが、既習内容の復習および単語の復習として役立ちました。


英語科教室・授業の様子

【シャドーイングによる書き取り】

 DGBOOKに教科書を置くだけではなく、オリジナルのプリントを作成することで活動のバリエーションがさまざまに広がります。
 たとえば、生徒同士でシャドーイングを行わせ、シャドーイングの音声を聞いて英文を書かせるという活動ができます。やり方は次の通りです。


  • (1) 参考資料のように、教科書の文の位置に順番に番号を振り、プリントを用意します。
  • (2) 4~6名程度のグループにさせ、1台のDGBOOKを用い、グループの中の一人の生徒がページ全体をシャドーイングし、他の生徒は文を書き取っていきます。シャドーイングをする生徒はグループの中で一巡させます。(教材によっては2巡)
  • (3) それぞれの生徒がDGBOOKを用い、書いた英文のチェックを行います。(1文ずつ)

 テープレコーダーでもこの活動はできますが、DGBOOKを用いることで、最後に各自で1文ずつ何度でもチェックするという、もう1つのリスニング活動を加えることができるのです。
 以上、3つの活動を紹介しましたが、教師の工夫次第でさまざまな活動が可能となります。

[千代田区立九段中等教育学校 本多敏幸]
(※本稿に書かれてあることは前任校である江東区立深川第八中学校における実践です。)

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